2023年2月
ファミリーケアギバーの会ブログページ
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入れ歯どうする?
参加者Aさんのお母さんは80代で、歯も悪くなり、歯医者さんから入れ歯の話しが出てきました。食べるのが大好きなお母さんですから、入れ歯をしたらどうかとAさんも考えています。でも、入れ歯は作るために、口の中の治療にも認知症だと嫌がって大変。入れ歯も歯茎がやせてくると合わなくなって、また作り直しもでてきます。入れ歯といっても口の中に入れる異物ですから、認知症をもったお母さんがなれるかどうかもわかりません。認知症が進行してから、初めて入れ歯をいれるのはとても大変です。良い点、悪い点をよく考えて入れ歯をどうするか考えてみましょう。入れ歯をしなくても、ある程度歯が残っていればそれで食を楽しめる場合もあるでしょう。それは個人それぞれです。
うそも方便、気持ちが大切 - QOL (Quality of Life)を大切に!
Bさんのお母さんは最近尿漏れが多くなり、下着からプルアップに代わりました。ご本人はとてもお洒落で、プルアップに代わるなんてあり得ません!とはいえ、紙おむつと普通の下着の区別はつきません。お母さんのDignityを保って、気持ちよく過ごしてもらうために、Bさんは使用済みのプルアップを引き出しからみつけたら、「これは洗濯にまわしておくね」と一言いって、後でゴミ箱に捨てます。ここで、「なんでプルアップをこんなところに!」とか「プルアップは捨てなきゃだめよ!」と言ったら、言い合いが始まったり、お母さんのDignityを傷つけます。細かいことにとらわれず、お母さんを正そうとか変えようとかせず、それはそれで流して、嘘も方便ということで気持ちよくQOLを重視していきましょう!
うそも方便、気持ちが大切 パート2
前回に引き続き、嘘も方便のお話しです。英語でいうWhite Lieでしょうか。人の不利益になるような嘘やごまかしはいけませんが、人の気持ちを大切にするような気使いであればいいのではないでしょうか。Aさんのお母さんは認知症が進んできましたが、相変わらず、周りの人に喜んでほしいという気持ちがあります。周りの人に喜んでもらうのが、Aさんのお母さんのQOLなのでしょう。お母さんはDay Programに行きはじめ、旅行に行ったお土産にとなんと10箱もお菓子を買ってきました。とても多すぎて、Day Programのスタッフからもこんなに持ってこない欲しいと苦情が出たようです。お母さんのいつもお世話をしているAさんのお父さんもそんなAさんの常識をはずれた行動に怒ってしまいました。でも、お母さんにとっては10箱は周りの人を喜ばせたいという気持ちのあれわれでしょう。そういう気持ちを大切にしてあげるには、どうしたらいいのか。こっそりお母さんに知られないように5箱は他に回して、残り5箱をDay Programに持っていき、お母さんには10箱渡したよと言うこともできます。あるいは、5箱ずづ分けて週をずらして持たせることもできます。お菓子は生ものでに限りは。そんな工夫が大切かもしれません。認知症にやさしい社会といいますが、こうして周りが認知症の方の気持ちを大切にして、周りが工夫をこらして社会を変えることなのではないかと思います。Aさんのお母さんのお菓子美味しかったと思います。
不安は不安を呼ぶ!不安は伝染病?
認知症になると多かれ少なかれ不安を伴います。Nさんのお母さんも時々不安に襲われるようです。Nさんはお母さんと同居していますが、Nさんが買い物に出たりすると、お母さんはNさんが買い物に出たのを忘れて、不安になってNさんを探し回ったりなど騒ぎになることもあります。Nさんは外出する時はメモを残していったりといろいろな工夫をして、お母さんが不安にならないようにしています。認知症になった家族を見て、家族がどうしたいいかわからず、家族が不安になることもあります。そんな不安になった家族をみて認知症の家族はさらに不安になります。そう、家族の中で不安が不安を生んで倍増するということはよくあります。家族中が不安になってしまうこともあります。それを避けるためには、家族が一呼吸して、不安の悪循環から抜けるように心がけましょう。認知症を患った家族が不安に陥っていたら、一緒に気分転換するのもいいかもしれません。外にちょっとお散歩に行ったり、一緒にお料理してみたり、テレビ見てみたり、ちょっと不安から意識をそらせることが助けになるかもしれません。
認知症おすすめ本 認知症の歩き方
下記リンク先のYoutubeの最後に本の紹介があります。
認知症の方からみた世界がどんなものかを丁寧に説明し、どんな風に私達自身が、そして社会が変わるべきかを問いかけてくれる本です。
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